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220-1:階段・2階廊下 | |
図1 |
秋吉家シリーズにおいて階段が最初に登場したのは単行本「365日の恋人」56P3コマ目で、(図1)の通り2階から階段方向を見たときに左手側が壁面に沿う構造であり、壁の上には手摺が設置されていることが解る。また、次のコマ(図2)より2階から見た階段右手側に手摺がある事が解る。また右奥に手摺が設置されている様子がうかがえ、手摺の向こう側は廊下になっているものと推測されるだろう。さらに階段手摺と右奥の手摺の間に1階との吹き抜けがあることも解るので階段手摺から奥の手摺までは「コの字」型になっているものと思われる。 但し、このコマでは右図上の矢印の通り十波が階段を背に進もうとしているが、せかキラ3巻121p5コマ目の描写では右図下の通りその方向には壁が存在する。また、(図1)のコマで百華がコードレスホンの子機を1階から持ってきているような描写があるが、「せかキラ」時点での子機常置場所は「せかキラ3巻121p5コマ目」(図3)の通り階段を上がって廊下右端のようである。このように矛盾と思える描写があるが、これは「365」がシリーズの中でも初期の作品で掲載時点では読み切り作品であったことから、詳細な設定はされてなかった事に起因すると思われる。この矛盾点については新しい作品である「せかキラ」での描写で図面化を進めたい。 更に、せかキラ3巻45p2コマ目の「千鶴の部屋から出てきた万葉が十波から子機を受け取るシーン」の構図が(図2)と殆ど変わらないことから、(図3)で見えるドアは千鶴の部屋へのドアであることが推測できる。 |
図2 | |
図3 | |
図4 | 階段1階側端の壁上にも「せかキラ3巻13p1コマ目の描写(図4)の通り手摺の支柱と思われる構造物が見える。これにより右図の様に階段を取り囲むように四方すべてに手摺が設置されていることが推測できる。また、手摺があると言うことはその奥には廊下があるものと思われ、2階の廊下も階段・吹き抜けを囲むように四辺に存在するものと考えられる。 |
図5 |
さて、次に「せかキラ1巻99p2コマ目」に注目しよう。百華は「窓から帰ってくるの見えたからまちぶせ」との事で「万葉の部屋に潜んでいた」ようだが、「どこの部屋のどの窓から万葉が帰ってくる姿を見たのか」は記載されていない。しかし作中の時間経過・描写を考えると既に夜だったと考えられるので百華は自室にいたのではないだろうか。そこで描写やセリフから百華の部屋の位置を推測してみると
そこで「百華の部屋は2階・道路(玄関)側にある」と仮定しよう。「詩を聴かせて52p4コマ目」等の描写の通り、玄関の真正面に階段が設置されていることから「階段上り方向左側」に玄関がある事になる。また、「せかキラ2巻136p4コマ目」(図5)の様に「玄関側にある部屋のドアから廊下を見たときに左側に壁面が見える」ということは、このドアは「階段上り方向正面」の壁面に寄っている事が推測でき、更に(図5)の様にドアが2つ見えるので「階段上り方向正面」の壁にはドアが2つあることが解る。 |
図6 | |
図7 |
特に作中に描写は無いが、(図7)は階段踊り場から2階を、(図8)は2階廊下階段との対角点から各部屋のドア〜電話常置場所を見た図であり、かなり広い空間であることがお解りいただけるだろう。 なお、一説によれば「せかキラ時代、百華と十波は同じ部屋」という事だが、残念ながらそれを証明する描写は描かれていないのでここでは参考情報に留めておくことにしたい。 また、この他「一久・零の部屋(幼年期)」「十波の部屋(高校)」「一久の部屋(高校)」「零の部屋(中学)」の描写が作品毎に登場するが、「終わらない〜141p(恋文)4コマ目の描写で「一久の部屋(高校)」が2階にあること、「同1コマ目」で「一久の部屋と零の部屋がふすま一枚で繋がっていること」及び「せかキラ1巻161p3コマ目」から「一久(・零)の部屋」と「十波の部屋(幼年期)」が2階にあることが推測できるが、それらの部屋の「間取り・配置」を検証できる背景は描写されていないので、2000年10月現在は「せかキラ〜詩を聴かせて」時代の「万葉・千鶴・百華」の部屋の位置関係及び電話機常置場所しか図化することが出来ないが、今後新しい背景描写等で位置関係が検証出来しだい本レポートを追加・改変していく予定である。 |
図8 |