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美容師法(旧法)
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○美容師法
昭和三十二年六月三日
法律第百六十三号

(目的)
第一条 この法律は、美容師の資格を定めるとともに、美容の業務が適正に行われるように規律し、もつて公衆衛生の向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
2 この法律で「美容師」とは、都道府県知事の免許を受けて美容を業とする者をいう。
3 この法律で「美容所」とは、美容の業を行うために設けられた施設をいう。
(免許)
第三条 第四条に規定する美容師試験に合格した者は、都道府県知事の免許を受けて美容師になることができる。
2 美容師の免許は、精神病者又はてんかんにかかつている者には、与えない。
3 美容師の免許は、第六条の規定に違反した者又は第十条第三項の規定による免許の取消処分を受けた者には、与えないことができる。
(美容師試験)
この法律に定めるもののほか、美容師の免許に関して必要な事項は、政令で定める。
第四条 美容師試験は、都道府県知事が行う。
美容師試験は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第四十七条に規定する者であつて、厚生大臣の指定した美容師養成施設において厚生省令で定める期間以上美容師たるに必要な知識及び技能を修得した後、一年以上の実地訓練を経たものでなければ受けることができない。
3 美容師養成施設は、次の各号に掲げる養成課程の全部又は一部を設けるものとする。ただし、通信課程は、昼間課程又は夜間課程を設ける美容師養成施設に限つて、設けることができる。
一 昼間課程
二 夜間課程
三 通信課程
厚生大臣は、政令の定めるところにより、第二項に規定する美容師養成施設の指定に関する事務の一部を都道府県知事に委任することができる。
5 第一項から第三項までに定めるもののほか、美容師試験、美容師養成施設その他第一項から第三項までの規定の施行に関して必要な事項は、政令で定める。
(登録)
第五条 都道府県に美容師名簿をを備え、美容師の免許に関する事項を登録する。
2 前項に定めるもののほか、美容師の登録に関して必要な事項ほ、厚生省令で定める。
(無免許営業の禁止)
第六条 美容師でなければ、美容を業としてはならない。
(美容所以外の場所における営業の禁止)
第七条 美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で淀める特別の事情がある場合には、この限りでない。
(美容の業を行う場合に講ずべき措置)
第八条 美容師は、美容の業を行うときは、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 皮ふに接する布片及び皮ふに接する器具を清潔に保つこと。
二 皮ふに接する布片を客一人ごとに取り替え、皮ふに接する器具を客一人ごとに消毒すること。
三 その他都道府県知事が定める衛生上必要な措置
(健康診断)
第九条 美容師は、毎年二回以上結核、トラホーム、皮ふ疾患等の疾病の有無につき行政庁が行う健康診断を受けなければならない。
2 都道府県知事は、前項の健康診断の結果その美容師の就業が公衆衛生上不適当と認めるときは、期間を定めてその業務を停止することができる。
(免許の取消及び業務の停止)
第十条 都道府県知事は、美容師が第三条第二項に規定する者に該当するときは、その免許を取り消す。
2 都道府県知事は、美容師が第七条、第八条又は前条第一項の規定に違反したときは、期間を定めてその業務を停止することができる。
3 都道府県知事は、美容師が前条第二項又は前項の規定による業務の停止処分に違反したときは、その免許を取り消すことができる。
4 第一項又は前項の規定による取消処分を受けた者であつても、疾病がなおり、又は改しゆんの情が顕著であるときには、再免許を与えることができる。
(美容所の位置等の届出)
第十一条 美容所を開設しようとする者は、厚生省令の定めるところにより、美容所の位置、構造設備、従業者の氏名等をあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
2 美容所の開設者は、前項の規定により届け出た事項に変更を生じたとき、又はその美容所を廃止したときは、すみやかに都道府県知事に届け出なければならない。 (美容所の使用)
第十二条 美容所の開設者は、その美容所の構造設備について都道府県知事の検査を受け、その構造設備が第十三条の措置を講ずるに適する旨の確認を受けた後でなければ、当該美容所を使用してはならない。
(美容所について講ずべき措置)
第十三条 美容所の開設者は、美容所につき、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 常に清潔に保つこと。
二 消毒設備を設けること。
三 採光、照明及び換気を充分にすること。
四 その他都道府県知事が定める衛生上必要な措置
(立入検査)
第十四条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該吏員に、美容所に立ち入り、第八条又は前条の規定によるほ措置の実施の状況を検査させることができる。
2 前項の規定により当該当吏員が立ち入り検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者にこれを提示しなければならない。
(閉鎖命令)
第十五条 都道府県知事ほ、美容所のの開設者が、第十三条の規定に達反したとき、又は美容師でない者若しくは第九条第二項若しくは第十条第二項の規定による業務の停止処分を受けている者にその美容所において美容の業を行わせたときは、期間を定めて当該美容所の閉鎖を命ずることができる。
2 当該美容所において美容の業を行う美容師が第八条の規定に違反したときも、前項と同様とする。ただし、当該美容所の開設者が美容師の当該違反行為を防止するために相当の注意及び監督を尽くしたときは、この限りでない。
(処分の理由の通知等)
第十六条 都道府県知事は、第九条第二項、第十条第一項から第三項まで又は前条の規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、当該処分を受けるべき者にその処分の理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
(美容師の会)
第十七条 美容師は、美容の業務に係る技術の向上を図るため、美容師会を組織して、美容師の養成並びに会員の指導及び連絡に資することができる。
2 二以上の美容師会は、美容の業務に係る技術の向上を図るため、連合会を組織して、美容師の養成並びに会員及びその構成員の指導及び連絡に資することができる。
(罰則)
第十八条 第六条の規定に違反した者は、一万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号の一に該当する者は、五千円以下の罰金に処する。
一 第十一条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十二条の規定に違反して美容所を使用した者
三 第十五条の規定による美容所の閉鎖処分に達反した者
第二十条 第十四条第一項の規定による当該吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、二千円以下の罰金に処する。
第二十一条 法人の代衆者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して前二条の達反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の刑を科する。
(読替規売)
第二十二条 第九条第二項、第十条第二項、第十一条、第十二条、第十四条第一項、第十五条及び第十六条(美容師の免許の取消に係る場合を除く。)中「都道府県知事」とあるのは、保健所法(昭和二十二年法律第百一号)第一条の規定に基く政令で定める市にあつては、「市長」と読み替えるものとする。
附則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して三箇月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
(経過課程)
2 この法律の施行前、附則第十二項の規定による改正前の理容師美容師法(昭和二十二年法律第二百三十四号)(以下この項、附則第四項から附則第八項まで及び附則第十三項において「旧法」という。)、理容師法の一部を改正する法律(昭和二十六年法律第二百五十一号)附則第二項、理容師美容師法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第四十九号)附則第三項若しくはこの法律の附則第十五項の規定による改正前の理容師法特例(昭和二十三年法律第六十七号)の規定によりなされた美容師の免許又は旧法の規定によりなざれた美容師の試験若しくは登録、美容師の業務停止、美容所の構造設備に係る検査若しくは確認、美容所の閉鎖処分その他の処分は、この法律の規定によりなされた美容師の免許又は美容師の若しくは登録、英容師の業務停止、美容所の構造設備に係る検査若しくは確認、美容所の閉鎖処分その他の処分とみなす。
3 この法律の施行の際、現に理容師美容師法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第四十九号)附則第二項の規定により美容師の免許を受けることのできる資格を有する者は、第三条の規定の適用については、第四条に規定する美容師試験に合格した者とみなす。
4 この法律の施行前旧法第八条の規定により厚生大臣の指定した美容師養成施設又は旧法第三条の規定による実地習練は、この法律の規定により厚生大臣の指定した美容師養成施設又はこの法律の規定による実地習練とみなす。
5 この法律の施行前旧法第八条第三号又は第十二条第四号の美容師又は美容所の開設者に係る規定により都道府県知事が定めた衛生上必要な措置は、この法律の第八条第三号又は第十三条第四号の規定により都道府県知事が定めた衛生上必要な措置とみなす。
6 この法律の施行前にした旧法第八条、第九条又は第十二条の美容師又は美容所の開設者に係る規定に違反する行為は、この法律の第八条、第九条第一頂又は第十三条の規定に違反する行為とみなす。
7 この法律の施行前、理容師美容師法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第百二十六号)の施行後においてした旧法第十四条第一項後段に規定する美容所の開設者の行為は、この法律の施行後においてしたこの法律の第十五条第一項後段に規定する美容所の開設者の行為とみなす。
8 この法律の施行前旧法の規定によりした、美容所の開設に係る届出又は当該届け出た事項の変更に係る届出は、この法律の第十一条第一項又は第二項の規定によりした届出とみなす。
9 この法律の施行の際、現に美容所を開設している者が、附則第七項の理容師美容師法の一部を改正する法律の施行の日前から引き続き美容所を開設している者であり、かつ、同項の理容師美容師法の一部を改正する法律の附則第二項に規定する者であるときは、その者については、この法律の第十二条の規定は、適用しない。
10 この法律の施行前にした美容の業務に係る行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
11 旧国民学校令(昭和十六年勅令第百四十八人号)による国民学校の高等科を終了した者、旧中等学絞令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校の二年の課程を終つた者又は厚生省令で定めるところによりこれらの者と同等以上の学力があると認められる者は、当分の間、第四条第二項の規定の適用については、学校教育法第四十七条に規定する者とみなす。
(理容師美容師法の一部改正)
12 理容師美容師法の一部を次のように改正する。
『注:主に、美容師法制定前の美容師に関する法律である「理容師美容師法」から美容師に関する記述を削除する改正なので、当ページでは本内容を割愛します。』
(旧法の改正に伴う経過規定)
13 この法律の施行前にした旧法第六条第一項又は第六条の二の規定に違反する行為については、改正後の理容師法第七条第二項又は第十条第二項の規定は、適用しない。
14 この法律の施行前にした理容の業務に係る行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(理容師法特例の一部改正)
15 理容師法特例の一部を次のように改正する。
『注:主に、美容師法制定前の美容師に関する法律の特例である「理容師法の特例に関する法律」に美容師に関する記述を追加する改正なので、当ページでは本内容を割愛します。改正後の「理容師法及び美容師法の特例に関する法律」は別途掲載しています。』
(厚生省設置法の一部改正)
16 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第三十一号中「理容師養成施設」の下に「及び美容師養成施設」を加える。
第九条第一項第十一号中「理容所」を「理容所、美容所」に改める。
(地方自治方の一部改正)
17 地方自治方(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第三第一号(二十四)中「理容師美容師法」を「理容師法」に、「理容師又は美容師の試験、養成施設及び免許」を「理容師試験、理容師養成施設及び理容師の免許」に、「理容師又は美容師について」を「理容師について」に改め、「又は美容師」及び「又は美容」を削り、同号(二十四)の次に次のように加える。 (二十四の二)美容師法(昭和三十二年法律第百六十三号)及びこれに基づく政令の定めるところにより、美容師試験、美容師養成施設及び美容師の免許に関する事務を行い、美容師について健康診断を実施し、美容所の解説に関する届出を受理し、及びその構造設備について検査し、美容を行う場合に講ずべき処置などを定め、業務の停止又は閉鎖処分に関する事務を行い、並びに職員をして美容所に立入検査させること。
別表第四第一号(十)中「理容師美容師法」を「理容師法」に改め、「又は美容所」を削り、次に次のように加える。
(十の二)美容師法の定めるところにより、美容所の開設に関する届出を受理し、その構造設備について検査し、及び業務の停止又は閉鎖処分に関する事務を行い、並びに職員をして美容所に立入検査させること。(保健所を設置する市の市長に限る。)
(地方税法の一部改正)
18 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十一号)の一部を次のように改正する。
第七十二条中「十八 理容業」を「十八理容業 十八の二美容業」に改める。


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